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曾根崎心中物語

「運命に翻弄され、この世で成就しなかったお初と徳兵衛の悲恋」

作:近松門左衛門

これは、元禄16年(1703)、大阪の曽根崎天神の森で醤油屋の徳兵衛と遊女屋天満屋のお抱え女お初が、心中した事件をもとに書かれた物語です。

物語は、お初がお客に連れられて大阪三十三番の観音めぐりをするところから始まります。
お初は年の頃18か19歳。水辺で遊美に咲くカキツバタのようなきれいな女性です。
お初が観音めぐりを終え、生玉神社でひと休みしていたところ、集金帰りの徳兵衛とばったり出会います。お初と徳兵衛はかねてより恋仲でした。
お初は人目を忍びながら徳兵衛のもとにかけ寄り、「最近連絡をくれない。どうしてなの」とささやきます。
「実は……」徳兵衛は、その理由を辛そうにお初に話し始めました。

徳兵衛が働く平野屋の主人が、持参金をつけて妻の姪と徳兵衛と結婚させようとしたのです。
徳兵衛は断るつもりでいましたが、すでに主人が徳兵衛の継母に持参金を渡していました。
徳兵衛は継母からお金を取り戻し、平野屋の主人に返すつもりでいましたが、お金に困っていた油屋の九平次という友人に、期限付きでそのお金を貸してしまいます。
ところが、期限を過ぎても一向に返さない九平次。翌日には主人にお金を返さなければならないのでした。

そのとき、折りも折り、例の九平次が仲間とともにほろ酔いで、徳兵衛とお初の前に姿を現します。
徳兵衛は証文を突きつけて返金を求めます。が、九平次は、証文の印がニセモノだと言い掛かりをつけ、二人は大ゲンカになりました。九平次は、仲間5人でよってたかって徳兵衛を袋たたきにします。
お初といえば、観音めぐりをともにしていたお客に、その場から連れ去られてしまいました。傷だらけになった徳兵衛は、涙を流してその場を立ち去るのでした。

天満屋へ戻ったお初は、徳兵衛のことが心配でなりません。
ところがほかの遊女たちが、「徳兵衛はニセの判を突いて痛い目にあわされた」などと噂するので、いっそう辛く思います。
「いっそ徳兵衛と一緒に死んでしまいたい」と思っていたそのとき、変わり果てた徳兵衛が会いに来ました。
「もうどうあがいても、俺が悪いことになるだろう。終わりだ」と嘆く徳兵衛。
二人は涙にくれ、そして覚悟を決めます。

その夜、お初と徳兵衛は、こっそり天満屋から出て行きます。心中をはかるためでした。
曽根崎の森(露天神社)で、木の幹にお互いの体をしっかり結びつけたのち、徳兵衛は自分の脇差の刀でお初ののどを刺して死に至らせました。
続いて自分ののどをかき切って、自分も命尽き果てたのです。(完)